Reading 3
「前の例文を使ってもう一度練習してみよう」:
今回は 本来、「他の例文を使って練習してみよう」の回だったのだが、前回の説明でまだよくわからないという読者から、「もう1回もう少し詳しく説明してほしい」という要望があった。 そこで、前回と同じ例文で、「英語のシステムを使って理解する」やり方をもうちょっと詳しく説明しよう。
英語を読むときの基本は「左から右に読む」ことというのは理解してもらえたよね。ここで、「基本は」と入れているのは、全ての単語を「左から右に読む」と硬く考えてほしくないから。「早く」「正確に」文意をとらえていくのには大体のところで左から右に読んでいくのが良い。
では、この大体のところを、という読み方はどこら辺が「大体」なのだろう?
ぼくはこれを「ブロック読み」と名付けた。
「ブロック読み」
実は、このやり方は前回の時も使っているのだ。
It is said that it is not that easy to master a foreign language, if not impossible, without having experience living in a country where the language is spoken.
まず、最初のIt is said これはbe動詞+過去分詞だから受動態で、「それは言われている」だよね。つまり「あー、何か言われているんだな」と理解する。
これは決して
it それ、
is である
said 言われる。
という風に一語一語左から右にわかっていっているわけではない。
It is said を一瞬見て、「それは言われている」という意だと判断しているでしょ。これがブロック読み。
次のthat it is not that easy
を見て、「それはそんなに易しくないんだな」とまとめて理解する、決して、
that 名詞節を導く接続詞、「~ということ」
it この説の主語だ、「それは」、
is である。
not 否定だから、前の「is」と合わせて「でない」
that んー、これは副詞だろうから「そんなに」
easy 「易しい」
と一語一語読んでいっているわけではない。それだとかえってややこしいでしょ。
だからブロックごとに、
It is said
フムフム、「なんか言われているわけね」
that it is not that easy
「そんなに易しくない」ってね、
to master a foreign language,
「一つの外国語をマスターすることが」ね。
if not impossible,
「もし不可能じゃないとすれば、そんなに易しくないということ」か。
without having experience living in a country
「国に住んだ経験無しには」
where the language is spoken.
「その言葉が話されている」「国に住んだ経験無しには」ということね。
という風にブロックごとに理解して頭の中に入れれば、前回書いたように日本語の語順に訳す必要はまるでない。
もちろん、英検などにあるかもしれない「日本語に訳しなさい」という問題なら話が別。しかしTOEICやTOEFLなどでは「日本語に訳しなさい」という問題は100%でないし、仕事で英文を読んだり、書いたりする場合も内容がわかればよい場合が殆ど、これも日本語に訳す必要は無い。
いまは英文を読むときの話をしているが、実はこの考え方は英語で書くときも同じ、聞いて理解する時も、話す時も同じなのだ。英語ではこのブロックといういくつかの単語の塊を組み立ててコミュニケーションを取っているのだ。
分かってもらえたかな?
では次回こそ、「他の例文を使って練習してみよう」
*多くの日本人が英語を身につけるために努力している一方で、残念ながらほとんどの場合その時間とエネルギーに見合うだけの結果は生み出されていない。
使われる時間やエネルギーが少なすぎるから結果が出ないという場合は少なく、ほとんど全部の場合「英語の勉強」のやり方に問題がある。
このシリーズでは読者が英語を身につけるための方法をわかりやすく説明していくつもりです。「英語の勉強」に対する疑問点や英語そのもの質問は「問い合わせフォーム」に書き込んで僕に送ってください。