Reading 1
英文の内容を読み取るには:
英文の内容がわかる、わからないといった場合、複雑になればなるほど、人により「理解できた」という程度にばらつきが出てくる。中にはかなり高度なレベルでないと「理解した」という感じにならないグループも存在する。いいかえれば「ちゃんとわかるまで、簡単には妥協しないもんね」派とでもいえるグループだ。
この「ちゃんと分る」が問題なのだ。何故かというと、日本語でのコミュニケーションのエキスパートであるほとんどの日本人にとって、「ちゃんと分る」のはほとんどの場合、日本語を通して「ちゃんと分る」という状態になることを意味するからだ。
例を挙げて説明しよう。
It is said that it is not that easy to master a foreign language, if not impossible, without having experience living in a country where the language is spoken.
これを日本語にしてから理解しようとすると、
It is said これはbe動詞+過去分詞だから受動態で、「それは言われている」だよね。で、it は that 節を表すから「それはthat easy=そんなに難しくない」で、このit はto 不定詞だからto masterからthe language is spoken. まで。
a country where the language is spoken. すなわち、「その言葉が話されている国」
experience living in a country where the language is spoken. すなわち、「その言葉が話されている国に住んだ経験」
without having experience living in a country where the language is spoken.
すなわち、「その言葉が話されている国に住んだ経験無しに」
to master a foreign language without having experience living in a country where the language is spoken.
すなわち、「その外国語が話されているところの国に住む経験なしに1つの外国語をマスターすること」
それにif not impossible 「もし不可能でなければ」が挿入されている。
まとめると、「その外国語が話されているところの国に住む経験なしに1つの外国語をマスターすることは、不可能でなければ、そんなに易しくないといわれている」んー、わかったぞ、となる。
確かに理解できているが、いかんせん時間がかかりすぎるし、何回か読み返さなければ全部の理解ができないのが難点だ。第一、英米人は今のように、最後のフレーズから理解し始めるのか?という疑問も残る。
では、どう理解するのか?
簡単に言うと大原則に返るのがよい。原則とは、
「英語は英語のシステム」でできていて。「日本語は日本語のシステム」でできているということだ。
つまり、英語は英語のシステムを使って書いたり話したり読んで理解したり聞いて理解したりするわけで、そこで完結する。日本語も同様で、他の言語の助けを借りる必要はないのだ。
次回は、「では、具体的に英語のシステムを使ってこの例文を理解してみよう!」というのをやる予定です。
*多くの日本人が英語を身につけるために努力している一方で、残念ながらほとんどの場合その時間とエネルギーに見合うだけの結果は生み出されていない。
使われる時間やエネルギーが少なすぎるから結果が出ないという場合は少なく、ほとんど全部の場合「英語の勉強」のやり方に問題がある。
このシリーズでは読者が英語を身につけるための方法をわかりやすく説明していくつもりです。「英語の勉強」に対する疑問点や英語そのもの質問は「問い合わせフォーム」に書き込んで僕に送ってください。